導入事例
電話を取り逃がさず、目の前の若者に注力できる。財源・人員とも余裕がない団体にこそfondeskを勧めたい
特定非営利活動法人サンカクシャ
NPO法人
従業員
約20名
着信
約20件/月

身近な大人に頼れず社会に馴染めない若者へ、居場所づくりや仕事のサポート、住居支援などを行っている特定非営利活動法人サンカクシャ(以後、サンカクシャ)様。限られたスタッフ数で運営しているなか、すべての電話に対応できないことが気になっていたと代表理事の荒井さんは話します。

fondesk導入に対しては周囲から懸念の声もあったそうですが、導入後は「もっと早くから使いたかった」と思えるほど便利に活用されているとのこと。団体の活動内容や課題をまじえて、fondesk導入までの経緯や効果について伺いました。

代表理事 荒井佑介さん

fondesk導入前

  • 電話専任のスタッフがおらず、電話を取れないことが多かった
  • すべての着信履歴に折り返せない状況だった
  • 相談電話の場合、1件で1時間ほどかかってしまうことがあった

fondesk導入後

  • 現場対応に集中できるようになった
  • 電話を取り逃すことがなくなった
  • あらかじめ電話の内容を把握して、対応を見極められるようになった

現場対応とリモートワークで、電話に限界を感じて導入

はじめに、サンカクシャさんの活動内容について教えてください。
荒井さん

私たちは、親や周囲の大人に頼れず孤立している15〜25歳程の若者のサポートを行っています。主な活動は、若者の居場所づくりと仕事のサポート、シェアハウス運営の3つです。仕事を見つけ、一人暮らしができるようになるまでをサポートしています。現在関わっている若者は計200名ほどにまで増えました。

この活動の発端は、私が個人的に取り組んでいたホームレス支援です。ホームレスの方々と関わるなかで、増加傾向にある若年層ホームレスとの関わりも多くなり、子どもの貧困問題に関心をもつようになったんです。実家のない若者たちに家族のようなつながりを提供できたらと思い、今も活動しています。

若者はどのようにしてサンカクシャに集まってくるのでしょうか?
荒井さん

行政からの紹介が多いですね。特に住まいに関するサポートは行政でも枠がなく、サンカクシャにつなげるという流れが生まれています。地域の方のクチコミを聞いて相談に来る若者もいます。

最近は、私たちが主催するeスポーツの大会やSNSを通してつながるパターンも多いんですよ。人に相談するのが苦手な子でも、一緒にゲームをすることで心を開いてくれます。ゲームが支援の入り口になっているんです。

「ゲームだとフラットな人間関係が築けて、自然と交流が生まれるんです」と話す荒井さん
どのような経緯でfondeskを導入されたのでしょうか?
荒井さん

2019年にサンカクシャを立ち上げて以来、多くの電話がかかってきて対応しきれない状態が続いていました。立ち上げ当初はスタッフも私1人で、電話にはほとんど出られなかったんです。

スタッフが増えてからも、みんな目の前の若者と関わらなければならないので、やはり電話に出ることができない。立ち上げたばかりのNPOなので、事務局に電話専任者を置く余裕もありません。さらにリモートワーク化も重なって電話対応が難しくなり、fondeskを導入することにしました。

fondesk以外の電話代行サービスも検討されましたか?
荒井さん

はい、最初はどのような電話代行サービスがあるのかひたすら調べていました。そのなかで、特定非営利活動法人フローレンスさんがfondeskを導入されているという記事を見つけ、NPOでも利用している電話代行サービスがあるんだなと気になったんです。利用料金も払えない額ではなかったため、まずは使ってみようと申し込みました。

活動に充てる時間が生まれ、目の前の若者に集中できる

fondeskを導入してよかった点を教えてください。
荒井さん

かかってくる電話を気にすることなく、目の前の若者に対応できるようになった点がよかったですね。代わりに電話を受けてもらえるありがたさを実感しています。

また、fondeskから届いた通知を見て、どのように対応すべき電話なのか事前に見極められるのが非常にありがたいです。一度受けたら1時間ほど話が続いてしまう相談電話も多いため、fondeskで先に用件を聞いてもらえて助かっています。

私たちの取り組みを新聞などで取り上げてもらうと、1日中電話が鳴ることもあります。そうなるとスタッフが電話にかかりきりになってしまうので、何か策が必要だと思っていたんです。今はfondeskのおかげで、寄付者へのお礼や事務作業のための時間を十分取れるようになっています。

導入にあたって、懸念や課題はありませんでしたか?
荒井さん

正直、組織内では反対派が多かったんですよ。かかってくるのは困っている若者からの電話や寄付を申し出てくださる方からの電話なので、「スタッフが直接出るべきではないか」と。

しかし私は電話代行でいいのではないかと考えていました。どのみち電話に出られない状況なんです。電話を取り逃すくらいなら誰かに受けてもらったほうがいいはず。「ひとまず導入してみませんか?」と半ば強引に導入した結果、大変便利で今も利用を続けているというわけです。

導入後、反対派だったスタッフの方々の反応はいかがでしたか?
荒井さん

Slackと連携できる点がとても便利で、私を含めたスタッフ全員が重宝しています。どのような問い合わせが来ているか全員で確認できますし、チャットのみでスタッフ間の連携も取れるので、非常に使いやすいと思っているはずです。

fondeskの費用対効果は「間違いなくいい」とのこと

財源も人員も足りず疲弊しているNPOこそfondeskを使って

fondeskに対する改善要望や、使っていて困る点はありますか?
荒井さん

使いづらさは特に感じていません。 到着連絡の際は、訪ねてこられた方に手間をかけてしまうこともありますが、それはスタッフの携帯番号を伝えれば解決できると考えています。

ただ、事務局に費用を割けないNPOは多いので、もう少し料金が下がるとありがたいですね。私たちは、NPO向けのITツール寄贈・割引プログラム「TechSoup」を多く活用しています。fondeskにもそのようなプランがあると、NPOへの導入が進むかもしれません。

fondeskをおすすめしたい企業や団体はありますか?
荒井さん

「月1万円の料金も払えない」というNPOほど使ってほしいと思っています。現場に注力しながら電話対応にも追われ、疲弊してしまう人たちを多く見かけますから。

NPOには自分たちで電話を受けないことに抵抗を感じる人も多いのですが、fondeskのようなツールをフル活用しなければ活動を続けられないと私は考えています。そのような認識を、私たちの立場から伝えていきたいですね。私自身は、法人立ち上げ当初の多忙な時期に導入したかったと思うほどです。

最後に、サンカクシャさんの今後の展望を教えてください。
荒井さん

都心での若者支援の基盤づくりができたら、地方にも拠点を作っていきたいと考えています。生活コストを下げて、みんなでつながりつつ無理なく働くという生き方が合っている若者も多いように感じるんです。若者があたたかく迎え入れられて、仕事も住まいもつながりもある、というコミュニティを各地に作れたら最高ですね。

ありがとうございました!若者のためにボトムアップで活動されている荒井さんのお話を伺い、私たちも社会のために貢献できることを考えていきたいと思わされました。サンカクシャさんの活動にfondeskを役立てていただけたら光栄です!