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クラウドPBX導入のデメリットと失敗例6つとは?対策7つと代替策

2023年3月13日更新

新型コロナ感染症拡大の影響を受けて、在宅勤務制度を導入する企業が増加しました。在宅勤務の機会が増えると、いつでもどこでも電話を受ける必要が生じるため、電話代行やクラウドPBXに対する需要も高まっています。こうした環境下におけるクラウドPBXを導入することのデメリットや失敗例、また対策方法について、本記事では紹介します。

せっかく導入したのに思ったような成果が得られず失敗に終わった…ということが起こらないように、事前に理解を深めておきましょう。

クラウドPBXのサービス概要と主な3つの特長

クラウドPBXとはどのようなサービスなのでしょうか。ここではクラウドPBXのサービス内容と主な3つの特長やサービス概要について説明します。

クラウドPBXとはインターネット上のPBXを用いたサービス

クラウドPBXとは、これまでオフィスや店舗に設置していたビジネスフォンのPBX(Private Branch eXchange、電話交換機)を、インターネット上に設置するサービスのことを指します。簡単に言うと、インターネットを使った電話回線サービスがクラウドPBXです。

PBXとは、簡単に言うと「電話交換機」のことです。会社に電話をかける際は、最初に代表電話にかける場合が多いですが、その電話はPBXを経由して各内線電話につながる仕組みとなっています。

一般的に企業やコールセンターなどが利用している電話交換は、電話回線を用いて切り替えを行っており、「レガシーPBX」と呼ばれています。レガシーPBXを利用するには、専門機器の設置や電話回線の工事が必須となります。

一方でクラウドPBXは、インターネットを利用できる環境が整備されていれば、電話回線の工事をすることなく内線・外線の通話はもちろん、転送や通話録音といったビジネスフォン機能も利用可能です。

さらに、専用のアプリケーションを導入すれば、スマートフォンをビジネスフォンとして利用することもできます。別途ビジネスフォンを用意・購入しなくてもよいため、初期費用を抑えることも可能です。

クラウドPBXの主な3つの特長

クラウドPBXには、主に以下のような3つの特長を挙げることができます。

  • 従来のPBXよりも初期費用が安く迅速に導入できる
  • 外出先でも会社の代表番号で電話できる
  • 拡張性が高く状況変化にも強い

順番に詳しく見ていきましょう。

従来のPBXよりも初期費用が安く迅速に導入できる

クラウドPBXは、従来のPBXよりも低価格でスピーディーに導入することができる特長があります。クラウドPBXを導入する場合にはハードウェアを購入する必要がないため、初期費用を抑えることが可能です。

また、クラウド上に全ての機能が集約されているため、ソフトウェアのインストールなどの手間や時間も不要です。従来のPBXでは、機器類の用意や設置・インストールの手間や時間などが必要でしたが、クラウドPBXでは不要です。

つまり、すぐに費用を抑えて利用可能な点が、クラウドPBXの最大の特長ということができます。

外出先でも会社の代表番号で電話できる

クラウドPBXを利用する場合には、外出先でも会社の代表番号から電話することが可能です。クラウドPBXを利用して、専用アプリをインストールしたスマートフォンであれば、会社の代表番号から取引先に電話をかけることができます。

見ず知らずの知らない相手からの電話番号ではないため、電話を受けた相手も安心して電話に出ることができます。また、個人所有のスマートフォンからかけた電話であっても、電話代を会社負担にすることが可能です。在宅勤務や外出中の人にとっては、有用なサービスです。

拡張性が高く状況変化にも強い

クラウドPBXの特長としては、拡張性が高く状況変化にも強い点も挙げることができます。従来のPBXは、事務所移転や席替えの際に機器の移設や設定などの工事が必要な場合があります。

しかし、クラウドPBXの場合は、自分たちで簡単に設定を変更することが可能なので、余計な手間が不要です。

また、顧客管理システムのSalesforceやビジネスツールのGoogle Workspaceなどと連携できるクラウドPBXも存在しており、こうした拡張性の高さも大きな特長のひとつです。

失敗しがち!クラウドPBXのデメリットとは?

クラウドPBXは便利な面がある一方で、いくつかのデメリットもあります、例えば、導入の初期費用は抑えられるものの、別途ランニングコストが必要になることはデメリットと言えるでしょう。また、110や119といった特殊な電話番号にかけることもできません。

さらに通話品質の問題やセキュリティに関する課題もあり、サービスを利用する際に従来の電話番号を変更しなければならない場合も考えられます。こうしたデメリットの影響を受けて、実際にクラウドPBXの導入に失敗した企業も見受けられます。ここでは具体的なクラウドPBXの導入企業の失敗例について解説します。

クラウドPBXの失敗|使ってみた企業に生じがちな6つの例

実際にクラウドPBXを導入・利用した場合に発生する可能性が高い代表的な失敗例について、詳しく説明します。

失敗例1.欲しい機能がなかった

クラウドPBXのサービス企業によって、提供されるサービスの基本機能とオプション機能にはさまざまなものがあります。したがって、場合によっては、自社にとって必要な欲しい機能が搭載されていないケースもあり得ます。

せっかくクラウドPBXを導入したにもかかわらず、必要な機能が利用できないのであれば、導入した意味がありません。事前の確認を怠り、ニーズに合致しないクラウドPBXを導入してしまったという実際の失敗例が見受けられます。

失敗例2.コスト面で割高感がある

クラウドPBXは、ハードウェアの購入やソフトウェアのインストールが不要なため、初期費用を抑えることができるメリットがありますが、一方で利用しない機能ばかりが多いとコスト的に割高感を感じてしまうクライアントもいます。

基本的には、レガシーPBXよりもクラウドPBXのほうが豊富な機能が設定されています。しかし、実際に利用しない機能ばかりが装備されているとユーザーの不満につながるケースが多いようです。また、ランニングコストに関しても、実際の利用状況や契約方法によって異なるため、必ずしもコスト削減につながるとは限りません。

失敗例3.ノウハウの少ない会社を選んでしまい通話品質が悪かった

クラウドPBXの導入に関する経験や実績に乏しいノウハウが不足している会社に導入を依頼してしまうと、通話品質が悪いという状況が生じてしまう可能性があります。クラウドPBXは、提供している会社によって、通話品質が異なります。

具体的には、提供されているサービスとの相性によっては、通話にノイズが発生したり、通話ラグが生じたりしてしまう場合も考えられます。安定して通話をすることができず、通話トラブルの程度によっては、自社の仕事に支障が発生し、業務が停滞してしまうかもしれません。

また、クラウドPBXのサービス提供会社を費用だけで選んでしまうと、トラブルが発生した場合に適切な対応をしてもらえない可能性も懸念されます。したがって、クラウドPBXの取り扱いに長けた会社に導入を依頼して、通話品質などに一定以上のクオリティを確保することが必要です。

失敗例4.既存のサービスの契約期間を無駄にしてしまった

意外と忘れがちなのが、既存のビジネスフォンやレガシーPBXとの契約内容を確認せずに、クラウドPBXを導入してしまうことです。既存のリース契約期間が長く残っていると、無駄な費用を支払うことになってしまう可能性があります。

無駄な費用を支払いたくないからといって、リース期間の途中で契約を打ち切ったりすると、場合によっては、違約金を請求されたり、残債の一括弁済を求められたりすることもあります。したがって、現在利用している電話サービスの契約内容をきちんと確認してから、クラウドPBXの導入を決めることをおすすめします。

失敗例5.セキュリティ上の問題が発生した

クラウドPBXの導入によって、セキュリティの問題が発生した企業もあります。クラウドPBXでは、従業員個人が利用しているプライベート用のスマートフォンを業務に利用することが可能になります。

プライベート用スマートフォンにおけるセキュリティ対策が不十分だった場合には、会社の機密情報の流出や漏洩につながってしまうおそれがあります。

失敗例6.電話番号の変更が発生した

クラウドPBXにおいては、全てのサービスで電話番号の引き継ぎができるとは限りません。サービスによっては電話番号の引き継ぎができず、新たに電話番号を変更しなければならない場合があります。

このような場合には、新たな電話番号を取得する手間やコストがかかり、業務に支障が生じる可能性もあるため、注意が必要です。

失敗しないために!クラウドPBX導入前に検討したい対策とは?

クラウドPBXの導入に失敗しないためには、導入する前に失敗を防止するための対策をしっかり確認しておくことが必要です。以下で詳しく見ていきましょう。

対策1.自社に必要不可欠な機能・めぼしいサービスの機能を調べておく

クラウドPBXの導入に失敗しないためには、自社にとって必要不可欠なクラウドPBXの機能とはどのようなものなのかを明確に整理しておくことが必要です。クラウドPBXは、提供している会社やサービスによって、さまざまな機能を利用することが可能です。

したがって、自社にとって最適な機能を利用できるサービスを導入することが重要です。あらかじめ導入をしようと考えているクラウドPBXに、自社が求めている機能が装備されていない場合には、無駄なコストを支払って役に立たないおそれがあります。

また、導入を検討しているクラウドPBXのめぼしい機能を調べておくことも重要です。主要な機能を詳しく調べておくことで、導入後の具体的な利用イメージを持つこともできます。導入候補となるクラウドPBXの機能を調査することで、自社に必要な機能を自覚するきっかけにもなります。

クラウドPBXを導入する前に、具体的な機能やサービスを確認しておくことによって、導入したものの自社にとって必要不可欠な機能やサービスがなかった、という失敗を防ぐことが可能です。

対策2.具体的な料金プランと運用コストを確認しておく

クラウドPBXを導入する前に、具体的な料金プランと運用コストを確認しておくことも導入を失敗しないために必要な対策です。クラウドPBXを提供する会社に対して、自社の場合に必要となる導入費用(初期費用)や運用コストの試算を提出してもらうことが必要です。

こうした詳細な試算(見積もり)を提出してもらうことで、想定外のコストを支払う可能性が減ります。また、試算や見積もりの内容に関して、疑問や曖昧な点があれば、きちんと理解できるまで説明を受けることも重要です。

対策3.トライアルでクラウドPBXの使用感を試しておく

クラウドPBXを導入する場合には、無料のトライアルを用意している会社も多いため、実際に導入する前にトライアルを利用してクラウドPBXの使用感を試しておくことも、失敗防止の対策として有用です。

トライアルを体験することで、実際の通話品質やさまざまな機能の使い勝手などを確認することができます。トライアルで感じた疑問をクラウドPBXを提供している会社に問い合わせて、疑問を解消することも可能です。

また、トライアルを通じて実際のセキュリティ対策がどのように行われているのかも確認することができます。実際に導入してからセキュリティの脆弱さが判明するようでは、導入後の運営に支障をきたすおそれがありますが、トライアルで確認できれば安心して利用することが可能です。トライアルで利用方法や各種機能の説明(レクチャー)をしっかりと受けておくことで導入の失敗を防ぐことができます。

対策4.既存サービスの契約状況をあらかじめ確認しておく

これまで利用していた既存のビジネスフォンのサービスの契約状況をあらかじめ確認しておくことも、導入失敗を防止する対策として挙げることができます。新規に導入するクラウドPBXの導入・利用料金が割安でコスト削減に寄与できるとしても、既存サービスの解約で余計な違約金の支払いや残債の一括払いなどを求められるケースがあります。

こうした場合には、クラウドPBX導入のメリットも低下してしまうおそれがあるため、既存サービスの契約状況を事前にしっかりと確認しておくことが必要です。

対策5.ベンダーの評判や口コミ、実績をチェックしておく

クラウドPBXの導入の失敗を防ぐためには、ベンダーの評判や口コミ、実績などを確認しておくことも重要です。豊富な実績を有していて、多くのクライアントから高い評価や口コミを集めているベンダーは高い信頼を得ていると考えられます。

クラウドPBXの導入は、自社の業務を効率的に遂行するための重要なツールです。したがって、信頼できるベンダーかどうかという情報を、インターネットの口コミなどで確認したうえで、実際に導入を依頼することが非常に重要です。

対策6.セキュリティ面での対策を検討しておく

クラウドPBXでは、会社の重要な情報を取り扱うことも多いため、どのようなセキュリティ面における対策を施しているのかを確認しておくことが大切です。セキュリティを確保する機能が脆弱な場合には、会社の機密情報が流出・漏洩して巨額の損失が発生してしまうおそれがあります。

また、セキュリティ対策は自社においても検討することが必要です。例えば、従業員に対して定期的にセキュリティ教育を実施したり、IDやパスワードの管理を徹底させたりすることも求められます。

対策7.電話番号を継続利用できるか確認しておく

これまで利用していた電話番号を、クラウドPBXの導入以降も継続して利用することが可能かどうかを確認しておくことも導入失敗の防止対策です。クラウドPBXのサービス内容・機能によっては、市外局番が利用できないものもあります。

これまで利用できていた電話番号が利用できなくなってしまうと、業務に大きな支障が生じてしまうおそれがあります。あらかじめ、これまで利用していた電話番号を引き続き利用することができるのかどうかは、きちんと確認しておくことが必要です。

電話の業務効率化を検討中なら「電話代行」も1つの手段

クラウドPBXの導入により、電話業務の効率化を図れるというメリットがありますが、電話代行サービスの導入も電話業務の効率化が図れる1つの手段です。

電話代行サービスとは、会社にかかってきた電話を、社員の代わりに電話対応のプロフェッショナルであるオペレーターが応対を行うサービスのことです。

電話代行サービスは、新型コロナ感染症拡大の影響を受けて、リモートワークが進む中で急激に需要が増大したサービスと言えます。そして電話代行サービスを利用する場合はfondeskがおすすめです。fondeskならクラウドPBXで不安視される、通話品質やセキュリティに関する問題が生じることもありません。

また、既存のビジネスフォンの契約内容を気にする必要もないため、クラウドPBX導入の際に発生しがちな失敗もなく、電話業務の効率化が可能です。

さらに、電話の取り逃しもなくなり、会議中や外出中にかかってきた電話にもきちんと対応することが可能なため、取りこぼしによる機会損失も防ぐことができます。

他にも電話による業務の妨げや、休憩中にも電話対応をしなければならないなどのストレスを減らすことにもつながり、社員が集中して仕事に専念できるなどメリットは多いでしょう。

fondeskならトライアルも14日間とたっぷり試すことができるので、ぜひ検討してみてください。

最後に

クラウドPBXは、電話業務の効率化が図れるサービスです。しかし、導入にあたって、しっかりとした準備や確認をしていないと、導入後に失敗が判明してしまう可能性があります。したがって、導入する前にあらかじめ失敗をしないための対策をしておくことが必要です。

また、クラウドPBXの課題に対応している電話業務の効率化サービスとして、電話代行サービスを挙げることもできます。電話業務の効率化を図りたい場合には、クラウドPBXだけでなく、電話代行も検討対象とすることをおすすめします。

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